自分の経験やスキルを活かして自由に働けることから、フリーランスで仕事がしたいという方もいるのではないでしょうか。フリーランスになるには、さまざまな知識と準備が必要です。そのため、周囲からやめたほうがいいと言われた方もいるかもしれません。ただし、しっかりと準備をすればフリーランスになることはできます。
この記事では、フリーランスになるための必要な準備や未経験におすすめの資格、スキルの身につけ方についてご紹介します。フリーランスとして活躍するために、ぜひ参考にしてください。
フリーランスになるには?必要な準備とポイント
フリーランスとは、特定の企業に属さず独立して仕事を受注し業務をおこなって報酬を貰う働き方を指します。フリーランスになるためには何の仕事をするのか決め、その業務に必要なスキルや知識、経験を身につけることが重要です。
ここでは、開業に必要な書類と、クライアントや案件を獲得するために必要な準備とポイントについて解説します。フリーランスを目指している方は、ぜひポイントを抑えてしっかり準備をしましょう。
フリーランスで何の仕事をするか考える
フリーランスとして、まず何の仕事をするか具体的に考えることが大切です。これまでの仕事経験や得意とする分野・スキルをいかすと、フリーランスの仕事にしやすいでしょう。例えば、ITエンジニアとしての経験があるなら、フリーランスのエンジニアとして活動することが考えられます。
一方で、未経験の仕事にチャレンジする場合は、興味のある分野や新たに学びたいスキルをもとに、フリーランスとして新しい仕事に取り組むこともできます。例えば、イラストやデザインに興味があれば、オンラインのコースや参考書を活用して知識や技術を身につけ、フリーランスのイラストレーターとしての活動を始めるのも良いでしょう。
前もって自分の経験とスキルを整理したり、市場のニーズを調査したりして、どの分野で活動するかという目標に向けてしっかり計画することは、フリーランスとして成功することにつながります。
開業準備・開業届を提出する
フリーランスとして開業するための準備のひとつに、まず十分な資金を確保しておくことがあります。開業前は、事業に必要な機器などの購入費や店舗の内装費といった初期投資をはじめ、開業してからの生活費をまかなうための資金も含めて貯める計画を立てましょう。
必要な資金の準備ができたら、「個人事業の開業届出書」を提出します。青色申告で最大65万円の控除を受けるなら「所得税の青色申告承認申請書」も提出してください。これにより、事業を開始することができます。
また、業種によっては特定の許認可が必要な場合があります。例えば、飲食業や美容業(美容室やエステサロン)では、事業をおこなうための許可や免許、資格等が求められることがあるため、必要な手続きをしっかりと確認して適切な届出をおこないましょう。
これらの準備を整えることで、スムーズにフリーランスとしての活動を開始することができます。
ポートフォリオを作成する
フリーランスとして活動するためには、クライアントや案件を獲得する必要があります。そのため、自分の実績やスキルをまとめた「ポートフォリオ」を作成しておきましょう。
ポートフォリオ作成のポイント
・実績は具体的な数字で示す
・ポートフォリオのレイアウトやデザインを工夫する
・自己紹介(個人の基本情報、スキル、自己PRなど)を記載する
・対応しているサービスや料金を記載する
ポートフォリオを作成する際は、自分の実績やスキルがクライアントの目に留まるようにまとめることがポイントです。過去に手がけたプロジェクトや制作物を整理して、できるだけ詳しく成果をまとめ、具体的な数字などを記載するように心がけましょう。経験したプロジェクトの概要や担当した役割、使用した技術、成果物のURLなども分かりやすくポートフォリオに掲載します。
レイアウトやデザインを工夫し、見やすく魅力的に仕上げることも大切です。さらに、自己紹介やサービス内容も忘れずに含めましょう。
これらのポイントを抑えてポートフォリオを作成すると、クライアントに自分の専門性や経験を分かりやすく伝えることができます。あなたの強みをクライアントへアピールすることができるでしょう。
仕事に必要なスキルや資格を取得する
フリーランスの仕事に必要なスキルを身につけておくと、クライアントの案件を獲得するのに有利になる可能性があります。自分がフリーランスとして提供するサービスに関連した技術や知識を深めましょう。例えば、エンジニアであれば最新技術の知識やプログラミングスキル、Webデザイナーであればデザインの知識やデザインツールを使いこなせると良いでしょう。
また、資格を持っているとクライアントに対して専門性や信頼性を示すことができます。獲得案件を増やせる可能性が高まるので、取得しておくと良いでしょう。資格取得をするなら、参考書や専門学校、スクールのオンラインコースなどを利用して試験対策の勉強をする必要があります。例えば、Webデザインを仕事にしたいなら、ウェブデザイン技能検定などの資格を取得すると、クライアントに知識と技能を証明できます。
また、実務を通してスキルを磨くことも大切です。プロジェクトや案件に取り組むことで、実践的なスキルを身につけることができます。これによりポートフォリオの充実度も高まり、より多くのクライアントから信頼を得ることができるでしょう。
未経験からフリーランスに!おすすめの資格5選
未経験からフリーランスを目指す方におすすめの資格5選をご紹介します。資格は自分の知識や技能などを証明するのに役立ち、信頼性を高めることができます。
資格を取得して専門性を身につけ、自信を持ってフリーランスの仕事に挑戦しましょう。
1.ITパスポート試験
ITパスポート試験は、経済産業省が実施する国家資格です。ITパスポートを取得するとIT関連の基礎知識を持っているという証明になり、取引先企業からの信頼にもつながるため、IT系のフリーランスの仕事で役立てられるでしょう。
ITパスポートでは、IT業界で必要な基礎知識からAIやIoTなどの最新技術、情報セキュリティに関する知識、経営戦略といったビジネス全般の知識まで幅広く学ぶことができます。そのため、初めてIT関連の資格を取得する方におすすめです。
2.基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT技術者(ITエンジニア)向けの国家資格です。システムエンジニアやプログラマーなどのITエンジニアとして働くのに必要な基礎知識があることを証明できます。
試験内容はプログラミングやシステム開発技術のほか、データベースやセキュリティ関連の知識も含まれており、ITエンジニアの登竜門として知られています。次にご紹介する「応用情報技術者試験」は次のステップになる資格です。未経験からフリーランスのITエンジニアを目指す方は、まず基本情報技術者試験の取得を目指しましょう。
3.応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の次に受ける難易度が高めの試験で、高度なIT人材に求められる応用力あるIT知識と技能があることを証明できます。ある程度の知識や経験がある中堅IT技術者を対象とした国家資格のため、未経験の方は基本情報技術者試験に合格したあとに受ける資格として目標に設定しましょう。
試験内容はシステム開発技術やネットワーク、データベースプロジェクトマネジメント、そして経営戦略やシステム戦略なども含まれているため、幅広い分野の知識が身につくのが特徴です。難易度の高い応用情報技術者試験に合格すると企業からの信頼を得ることができ、仕事の獲得に有利に働くでしょう。
4.ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、Webデザインの専門的な知識や技能を証明できる厚生労働省が認定する国家資格です。合格すると「ウェブデザイン技能士」と認定され履歴書などに記載できるため、企業にWebデザインの知識や技能を持っていることアピールできます。そのため、Webデザインの仕事を目指す方におすすめの資格です。
検定は1級・2級・3級と3種類あり、それぞれ試験内容と受験資格が異なります。3級は、未経験でこれからWeb作成や運営業務に携わりたいと思っている方に適しており、2級と1級は実務経験がありすでに他の級を取得していることが条件となるため、ステップアップをしたい方に向いています。
3級の試験では実技と学科試験があり、実技試験ではWebサイト構築と学科試験ではWebビジュアルデザインやアクセシビリティ・ユニバーサルデザインといったWebデザインの基本的な知識と技術の問題が出題されます。
5.マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティングの基礎から応用までに分かれており、幅広い知識を学べる資格です。 A級・B級・C級の3種類あり、C級は基礎レベルのため、未経験でマーケティングの仕事やコンサルティングなどを目指す方に適しています。B級は実務経験がある方向けで、マーケティングのマネジメントや戦略立案などの知識が必要です。そしてA級は難易度が高く、マーケティングに精通した管理職などが対象となります。計数管理やマーケティング関連法務の問題も出題されます。
この資格を取得することで、マーケティング知識があることの証明となり、クライアントの信頼を得られ案件獲得を増やせたり、業務でのクライアントへの提案力が向上したりするなどのメリットがあるでしょう。
公式サイト:https://www.marke.jp/
未経験からフリーランスを目指す!スキルの身につけ方
未経験からフリーランスとして活動するためには、まずはじめに業務に必要なスキルを身につけることが大切です。スキルの習得には、スクールやeラーニングで勉強する方法とクラウドソーシングなどで未経験向け案件からスタートする方法があります。
ここからは、フリーランスとして仕事をするためのスキルを習得する方法をご紹介します。未経験からフリーランスを目指すという方は、ぜひ参考にしてください。
スクール(通学・オンライン)で勉強する
スクールへの通学やオンラインを活用すると、専門的な知識とスキルを習得できます。スクールに通うと、同じ志をもった仲間と一緒に学べるためモチベーションが維持できますが、好きな時間と場所で勉強したいという方は、オンラインでの受講がおすすめです。
ここからは、通学やオンライン、通信講座といった方法で学べるおすすめのスクールをご紹介します。スクールとプログラムの特徴や、具体的にどのようなことを学べるのかについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
Winスクール
Winスクールは、ITスキルを身につけるためのスクールです。少人数制で初心者から上級者まで一人ひとりに合った指導をしてくれる点が魅力です。また受講方法は通学に限らずオンラインも選べ、また通学とオンラインの併用も可能です。
プログラミングやWebデザイン、映像デザイン、CAD、DX・データ分析などの講座があります。授業では教えるプロの講師が初心者でも分かりやすく丁寧に教えてくれるため、資格取得一発合格や就職につながるといった結果を出しています。
SARAスクール
SARAスクールは、フリーランスやスキルアップを目指す女性に向けたスクールです。インテリアデザイナーや心理カウンセラー、リンパケアセラピストに関する資格取得に向けた通信講座を受講することができます。
自宅で学べるため、スキマ時間に勉強したいという方におすすめです。講座によっては最短約2ヶ月で資格取得ができます。またSARAスクールを卒業すると、フリーランスとして活動するのに役立つ宣伝方法などのサポートも受けられます。
クリエイターズファクトリー
クリエイターズファクトリーはWebデザインに特化したスクールです。デザインやコーディング、Webサイト設計やマーケティングの基礎が学べて、さらに実務を想定した課題が出され納品までおこなうため実際の仕事の流れを掴むことができるカリキュラムとなっています。授業は通学とオンラインの選択ができます。
現役のクリエイターによる実践的な指導が受けられるため、実務に近いWebデザインのスキルを身につけられるのがこのスクールの特徴です。また、仕事につなげるための勉強会や講座、ポートフォリオ作成サポート、フリーランスサポートなどをおこなっているため、未経験の方はどのように仕事を獲得すれば良いか学んだり相談したりすることもできます。
未経験向け案件からスタートする
未経験の仕事に挑戦する方は、クラウドソーシングサービスを活用すればスキルを高めながら実績を積むことができます。ここからは、未経験の方におすすめのクラウドソーシングサービスをご紹介します。
ランサーズ
ランサーズは、60万以上の企業が導入しているクラウドソーシングサービスです。350種類以上の仕事があり、初心者・未経験向けの案件も揃っています。Web制作やシステム開発、マーケティング、コンサルティングなど、豊富な種類の仕事のなかから自分のスキルに合ったものを選ぶことができるのが特徴です。
少しずつ案件を受けて実務経験を積みスキルアップをしていくことで、将来的に経験者向けの案件獲得につなげることができるでしょう。
公式サイト:https://www.lancers.jp
クラウドワークス
クラウドワークスは、97万以上の企業が登録しているクラウドソーシングサービスです。仕事は250種類以上あり、さまざまなフリーランス案件を提供しています。
初心者と未経験OKの案件もあり、イラスト制作や動画・画像編集、Webデザイン、ライティングなどの仕事から選べるため、自分がやりたい仕事のスキルを身につけ、実績を作ることができます。また、業務を進める上でクライアントとやり取りする機会もあるため、コミュニケーションスキルの習得にもつながるでしょう。
興味のある方は、クラウドワークスとランサーズと併用すると希望の仕事を見つけやすくなり獲得できる案件数を増やせるので、利用を検討してはいかがでしょうか。
公式サイト:https://crowdworks.jp/
フリーランスになるなら事前準備が大切!資格取得やスキルアップをしよう
フリーランスとして活動するためには、自分が何の仕事をするのか、いつ開業するのかなど具体的な計画を立てて準備することが大切です。
フリーランスの仕事に必要な知識や技術を学び、さらに資格を取得するといったことも必要ですが、未経験の場合は、クラウドソーシングサービスで実務経験を積んでおくとクライアントに信頼され案件を獲得しやすくなるでしょう。
しっかりと準備をすればフリーランスになることは難しくありません。ぜひ本記事を参考にして、フリーランスとしての一歩を踏み出してください。